チバビジョンについて

ライトストリーム テクノロジー
デイリーディスポーザブルレンズがコンタクトレンズ市場の大きなシェアを占めるようになると予測されて以来、新たな大量需要に応える大規模生産を実現する
方法の開発が焦眉の課題となりました。
大量生産を可能とするのはモールド(鋳型)製法しかありませんが、従来のモールド製法を根本的に見直し、改革する動 きはなかなか現われてきませんでした。こうした中でチバビジョンの1日使い捨てソフトコンタクトレンズ「デイリーズ」を生んだライトストリーム テクノロジーは、モールド製法にいくつもの技術革新を導入し、非常に画期的な開発と評価されています。
それらの技術革新の主なものを挙げると
- 再利用可能な高品質クオーツ鋳型(モールド)の採用
(これにより製造コストを引下げる事が可能になりました) - 完全親和モールド製法
(これにより精密なレンズ形状と工程簡素化が実現しました) - 写真製版工程を応用した独自のエッジ形成方式
(これによりエッジの極薄化、フィット感が向上しました)
ライトストリーム テクノロジーの開発にあたっては、材料化学、レンズ設計、製造工程、工学、臨床、マーケティングの各分野から専門家を国際的に人選し、New Lens Technology(NELTEG=ネルテグ)チームを結成しました。主要分野で最適の結果が得られるように、開発過程を通して提案製品のあらゆる側面 を同時に設計していく方式です。
素材の革新
高品質なソフトコンタクトレンズを大量に、低コストで生産するというネルテグ・チームの課題は、製造工程の革新だけでなく、レンズ材料 の革新から始める必要がある、というのがチームの考えでした。
ネルフィルコンAは、生物医学用途で生体適合性が高いと認められており、すでに人工血管などのバイオマテリアルとして広く利用されているポリビニルアル コール(PVA)を原料としています。これを新レンズの素材とすることにより、従来の大量生産では不可欠だった不純物、溶媒、残留ポリマーなどの抽出工程 が不要となり、製造工程が簡素化されて、生産コストの低減と製造時間の短縮が可能となりました。
| 含水率 | 69% |
| FDA分類 | グループ2(非イオン性、高含水) |
| 酸素透過性 | 26×10-11barrers |
レンズ設計の革新
ソフトコンタクトレンズの製法として、従来多用されてきたレース(旋盤)でレンズ材料を削ってい くレースカット製法では、きわめて複雑なレンズ設計を用いていましたが、モールド製法のレンズ設計は比較的単純でした。「デイリーズ」の設計はそれをさら に高度化したといえます。
製造プロセスの革新
高品質クオーツで作られた高精度モールドは、ライトストリーム製造工程の重要な要素であり、連続 再利用されます。製造プロセスを説明しましょう。まずモールドにネルフィルコンAを注入し、紫外線を照射してポリマーを重合させます。このとき周辺部をマ スクで覆います。マスクされて架橋しなかったポリマーは水で洗い流します。
写真製版に似たこのプロセスによって、エッジ部位は、マスクで遮断した紫外線の 陰影と両モールドの表面間の隙間で三次元的に形状が決定されます。こうして異物感が最小限に抑えられた装用感のすぐれたレンズとなります。レンズ材料が可 溶性ポリマーのため、型どおりの正確なレンズ寸法ができ、また不純物・溶媒等を抽出する工程も不要となります。
紫外線による結合が終了すると、モールドの キャリヤーを開いて、吸引グリッパーでレンズを取り出します。自動コンピューター制御処理によって、個々のレンズを検査します。レンズが包装工程に向かう 時点で、モールドは水で洗浄され、元の位置に戻ります。パックにレンズを入れ、規定量の生理食塩水を充填した後、パックを密封します。
以上の製造工程は、 一貫したオートメーション工程であり、モジュール(装置)ごとに進行します。このモジュールは環境制御キャビネット内に密閉されています。 参考文献:Tony Hough 「Technology leaps light years ahead」Optician, November 7, 1997

ライトストリーム テクノロジー開発責任者 Dr. P・ヘルブレヒツスマイヤーのメッセージ
1993年初頭に、私は長い仕事人生の中でも最も困難でかつやりがいのある任務を命ぜられまし た。それは"戦略的ビジネスユニットとして自己裁量権を持った開発チームを起ち上げる"というものです。課題は、デイリーディスポーザブルレンズの開発に 際し、従来の方法とは違った、まったく新しい革新的な製品と製造法を開発することです。
つまり新しい素材、新しい製造技術を使い、そして全世界に向けて販 売できる新しいレンズを開発することでした。しかもこの難題に"発売までの時間を大幅に短縮せよ"という課題が付け加わったのです。 革命的な開発を短期間にやりとげねばならない─まさにジレンマでした。解決策の1つとして私たちがとったやり方は、技術の諸要素について徹底した同時開発 を行い、プログラムの第1段階から生産にいたるまでのあらゆることに同時に取り組んでいったのです。リスクを厭わないタフな心が必要でした。その反面、膨 大な投資を無駄にしないために、代替策をいくつも慎重に立てました。 "イノベーションによってコンタクトレンズ市場でリーダーシップをとる"─これはわが社の目標です。
目標達成のためには、どんな問題に遭遇しようと必ず解 決してみせるとういう気構えをもった、まさに"ヘビー級のチーム"を編成しました。このチームは技術から販売まで各分野の専門家を国際的に集めたチーム で、自分たちで判断し決定できる権限を与えられていました。こうして使命達成に必要不可欠の実践力が生まれたのだと思います。そして開始からわずか3年 で、プロジェクトは成功のうちに完了したのです。(Peter Herbrechtsmeier, General Manager, CIBA VISION GmbH, Germany)
ライトストリーム テクノロジードイツ経済誌の優秀技術賞を受賞
ドイツの著明なビジネス週刊誌「Wirtschaftwoche」 は、チバビジョン社のライトストリーム テクノロジーを97年度の優秀工業技術賞の1つに選びました。この賞は同誌が毎年、革新的な技術開発に贈るもので、今回、チバビジョンが受賞したのは中規 模企業「機械工学・オートメーション」の部門。応募件数約350社のうち入賞14社の1つに選ばれました。
ライトストリーム テクノロジーが評価された点は、技術的革新性と短期間にそれを達成した2点です。この種の開発には約7年ほどかかるのが普通であるのに対し、チバビジョン では集約的開発方式によりわずか3年でこれを成し遂げました。





