目の基礎知識 Dr.Tの目の話
近視の人が目を細めるのはなぜ?
近視とは、遠くから来た光が網膜で、きちんとピントを合わせられない状態です。このためボケた像が網膜に映り、良い視力が得られません。学校の視力検査のときに、目を細めて検査を受ける子供を見かけます。これは目を細めることによって、良い視力が得られることがあるからです。
目を細めると良い視力が得られるのは、カメラの仕組みで説明ができます。ピンホールカメラは、四角い箱にごく小さな穴を開けた、レンズのないカメラです。しかしこの小さな穴によって、遠くから近くまで広範囲にピントが合うのです。普通のカメラでも、レンズを絞り、光の通過する穴を小さくすると、遠くから近くまでピントの良い写真が撮れます。同じように、近視の人に黒い紙に開けた小さな穴から視力表を見せると、かなり小さい視標まで見えることがあります。
目を細めて見たときには、目は小さな穴にはなりませんが、狭いスリットを通して見た状態(右下図)になり、ピンホールカメラや普通のカメラの絞りを絞った時と同じ原理で、視力がよく測定されることがあるのです。この他に視力が良くなる原因には、 まぶたの圧力で角膜の形が変わったり、眼球の長さが変わるなどして、近視の度が軽くなるという推測もされています。






